【第八話】

弁理士試験について

知的財産の保護が重要となっている中、知的財産の専門家である弁理士の仕事がますます重要になっています。弁理士になるにはどうすればよいのでしょうか。今回は弁理士になるための弁理士試験がどのようなものなのかを見ていきます。

弁理士試験の概要

弁理士になるためには、特許庁が行う弁理士試験という国家試験を受験して合格した後、3ヶ月程度の実務修習を受けることが必要です。

弁理士試験は毎年5月(願書の申し込みを含めると2月から)~11月にかけて実施されます。弁理士試験は、短答試験・論文試験・口述試験の3つの試験を順に受けることが必要です。前の試験を合格するか免除資格を有していないと次の試験を受けることはできません(免除資格とは、これまでの職務経歴、学歴、保有資格や過去一定期間内の受験時における各試験の合否結果から、試験の一部を免除される資格をいいます)。

受験するには特別な資格や学歴は必要ありません。受験者は10代から70代以上、合格者も20歳から70歳以上と多岐にわたります。他の法律系国家試験と比べて、受験者の平均年齢は高めの傾向があります。弁理士という資格自体が学生にはあまりなじみが無く、一旦企業の研究開発などの現場で特許に関わるようになってからその存在を知り、その後目指す人が多いためかもしれません。

 

短答試験について

 短答試験はマーク形式の試験です。最近は全60問を3時間半で解く試験となっています。出題範囲は、特許法・実用新案法、意匠法、商標法、条約、著作権法、不正競争防止法の7分野で、条約はパリ条約、特許協力条約、TRIPS協定、マドリッド協定議定書の4つが範囲となっています。

短答試験を合格するには65%以上に正解することが最低条件で、その年の受験者数や受験者の成績分布によってボーダーラインが変動します。特に、ここ最近は難易度が増してきており、短答試験の合格率が下がり続けて10%前後ぐらいとなっています。試験会場に法文集等一切の持ち込みは不可能ですので、あらかじめ各法律の条文の内容を理解しておくことが必要になります。

 

論文試験について

短答試験に合格すると論文試験に進むことができます。論文試験は必須科目と選択科目に分かれており、それぞれ別の日に実施されます。理系の方で大学院の修士課程や博士課程を修了していれば、あらかじめ申請することで選択科目が免除されます。必須科目は特許法・実用新案法、意匠法、商標法の3科目で、2時間から1時間半かけて論文を4つ(特許法・実用新案法は2つ)作成します。論文はA~Fの6段階で評価され、合格するには3科目全てにおいてA評価となることが必要です。3科目のうち一つでもA評価で無ければ不合格となるため、3科目をムラ無く勉強することが必要となります。

合格率については、ここ最近は20%~30%ぐらいで推移しているようです。試験会場では法文集が貸与されますが、法文集には載っていない判例や条文の趣旨などが問われることもあるため、理解しておくこと(場合によっては暗記)が必要となります。選択科目は著作権法や不正競争防止法等の法律主体の分野や、工学理学の各専門分野の中から選択した一科目について論文1つを作成することになります。修士課程や博士課程を修了しておらずその他選択科目が免除になる資格を有してない文系出身の方が選択科目を受けなければならない傾向が多いようです。

 

口述試験について

論文試験を合格すると口述試験に進むことができます。口述試験は特許法・実用新案法、意匠法、商標法の3科目があり、2科目以上で合格することが必要です。決められた時間内に複数人の試験官の質問全てに対して、正確に正しく解答することが求められます。質問内容は条文の趣旨や理解を問う問題が多いようですが、時には特定の条文を一字一句間違いなく暗唱することを求められることがあります。法文集は持ち込めず、あらかじめ試験会場に用意された法文集を参照することは許されています。

合格率は50%前後ですが、ここ数年下がり続けています。他の法律系の国家試験における口述試験と比較して口述試験の合格率が極端に低く、口述試験だけに限ると法律系国家試験で最難関だと思われます。

 

まとめ

このように弁理士は、複数の難関を突破して初めて手にすることができる資格です。短い学習期間や初回受験で合格する場合もまれにありますが、平均して5年間ほどの学習期間を経て何度も受験して最終合格にたどり着くことができるため、屈指の難関国家試験といえます。よく誤解されるのですが、特許の明細書を自ら書いた経験があったとしても弁理士試験では全く役に立ちません。弁理士試験は、明細書の書き方を問う試験では無く、関連条文を正しく理解しているかを問う試験だからです。また、最近は1年~3年おきに何度も法改正が行われる傾向があるため、その都度改正された内容を新しく取り入れる必要があり、常に勉強し続けなければならない資格でもあります。次回はこの法改正について、今年度国会で成立した改正内容についてお話ししたいと思います。

弁理士試験を検討されている方の参考になれば幸いです。

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